下記の通り、担当科目のシラバスを一部掲載します。
履修の参考にしてください。
前期は、国際経済学と日本語論文指導を担当しましたが、
国際経済学の講義は、
貿易政策の話が「開発経済学」に
貿易自由化・WTO体制の話が「アジア経済論」に
それぞれ連動しています。
開発経済学
世界銀行は、1日に1ドル以下で生活している人々を「貧困層」と定義していますが、現在約13億人もの人がそのクラスに属していると推計されています。世界人口の約20%で構成されている大きな貧困層は、人口問題、エイズの蔓延、環境問題、安全保障問題などの要因になっており、これらの問題は年々深刻化する傾向にあります。平和構築のためにも、また人道的な観点からも、先進国や開発援助機関が積極的に問題解決に取り組み、状況を緩和する事が求められています。
この講義では、途上国特有の経済事情を理解した上で、今日的課題を浮き彫りにし、これまでに蓄積されてきた技術やモデルの中から、開発・貧困問題に対する適当な処方箋を見出していくための議論を進めていきます。参考図書
高橋 基樹・福井清一編(2008)『経済開発論-研究と実践のフロンティア』勁草書房
原洋之介(2002)『開発経済論-第2版』岩波書店
朽木昭文・山形辰史・野上裕生編(2003)『テキストブック開発経済学』有斐閣ブックス
アジア経済論
アジア地域は、その経済発展の経路がユニークであることから、近年注目されているフィールドの一つです。他の途上国密集地域と比較して、どのような相違点があるのか、経済発展に伴って伝統部門から脱却することはできたのか、政府は何ができて何ができなかったのか、など関心を持って学ぶことができる論点が多い科目だと思います。また近年、地方の中小企業も含めたアジア地域への進出や取引拡大によって、アジア地域における日本経済の「深化」が進んでいることから、アジアへの理解の促進が不可欠になっています。
この講義では、注目されるアジアの発展の経緯とその特徴を包括的に議論したうえで、日本、東アジア諸国、東南アジア諸国そして中国・ベトナムの開発経験を検証していきます。参考図書
大野健一・桜井宏二郎(1997)『東アジアの開発経済学』有斐閣
世界銀行(1994)『東アジアの奇跡-経済成長と政府の役割』東洋経済新報社
その他、
演習2は、卒件の完成に向けて、
演習1は、商品企画提案の完成に向けて、
それぞれ頑張ってください。